L-M BRIC News 12 日本語版             2009/6/11 © 2009

ループ操作組紐技法研究情報センター/編集・木下雅子

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L−M BRIC ニュース 第12号

 

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新 発見 17世紀のループ操作組紐技法の教本

「尼僧の本=Nuns Book―懐中時計の釣紐の作り方」について

第1次報告

ノエミ・シュパイザー

 

「尼僧の本」編 註1は、Braid Societyの会員有志が Pitt Rivers博物館を訪問した際に展観に供された館所蔵品中に見出された。(編 註2) 明らかに17世紀のもので、42種の組み方と33本の組紐見本が付いており、アルファベットを組み入れる組み方の図表で始まる。

この手稿本は筆者が1979年以来調べて分析したイギリスのループ組紐のパターンブックの13冊目に当たる。これで全部で500以上の15世紀 から17世紀にかけての組紐組成の手順がわかったことになる。始めの11冊は拙著 "Old English Pattern Books for Loop Braiding" (OEPB)で扱ったが、15世紀のテキストと17世紀のテキストには大きな相違があることに気付く編 註3

OEPB 出版後に見出された印刷本「Nature Unbowelled=自然の解剖」中の69件のループ組紐の組み方は、1655年と言う出版期日にも関わらず、明らかに15世紀に属している編 註4。数年前から筆者の研究に参加し たJoy Boutrupは、[ヨーロッパの]多数のテキスタイルコレクション中の組紐の実資料を探索している。文書記録に残る証拠に比較する補足的証拠とするため である。まだまだ多数の資料が図書館や博物館で見出される日を待っているに違いないのである。

 

OEPB中で用いた6種の異なる技法と組成される組紐の構造に基づく類別

1. Twill oblique interlacing : 斜行綾織組織 (OEPB IIA and IIIA)

2. "Arme breadth" : 斜行綾織組織の特殊バリエーショ ン (OEPB IIIA 8)

3. "Flaggon breadth" : 不正規組織組紐技法と構造 (OEPB IIIA 9)

4. "Spanish Breadth" : 他の種々の交差組織(interlading)(OEPB IIB, IIIB)

5. 2又は3部 分から なる斜行縄連組織と反転を含む斜行縄連組織、(OEPB IID a, b, c, d)

6. ループ 十字交換に基づく緊密組織の丸紐 (OEPB IIC)

 

[既存の記録では]Arme-breadthは17世紀本のみに含まれ、縄連と十字 交換は15世紀本のみに見られる。その意味で、新発見の「尼僧の本」は唯一の例外である。

中にはループ数8の十字交換の組み方と5種の縄連組の組み方がある。大部分の組み方が順序なしに並んでいるのに対して、縄連組のみが順序よ く並んでいる。

記載の組み方とはちぐはぐの「文字入り組紐」が1本ある。

アルファベット表は同時代の他の 手書本とは、構造も内容も異なる。

これ等の文字組紐のアルファベッ ト表と組み方については、Joy Boutrupと筆者共著の「ヨーロッパのルー プ組紐の研究と発見」中に、Joy が詳解 する。この本は4冊のシリーズの一部として準備中で、Jennie Parryによって出版される予定である。編 註5)

「尼僧の本」に見られる面白い特 徴、以前に行った分析との類似性及び相違などをループ組紐愛好者向きの組み方と共にStrands次号に報告する 予定である。

(Speiser 稿終り)(日本語訳責任・編集者)

 本 稿はStrand 2008 issue 12からの転載である。残念ながらStrand稿に掲載されている「尼僧の本」の1ページの映像の転写はかなわなかった。

 

 

 

イ ンドネシア・スラウェシ島のループ操作組紐(3)

サッダン・トラジャ 男性用葬送鉢巻ポテを中心に

日下部啓子

 

SpPic10e_edited-x007.jpg

(サ ルプッティの 浮き彫りのある船形の穀倉アラン(alang)第III節2b参照 撮影 日下部啓子)

 

 

<内容>

はじめに

T. ループ操作組紐の分布と 発達の特質及び 調査経過

U. 男性用鉢巻ポテ(pote)の概要

1.葬送被り物/ポテ とは

2.男性用鉢巻ポテの形状と組織構成

3.組紐移行部におけるループ再分割

4.ポテの構成と製作過程

(1)先端に輪をもたない ポテ

(2)先端に輪を組み込んだポテ

V. 葬送 鉢巻ポテ技術解明への道程

 

1. レンボンの組紐伝承者を訪問 2005年 12月17日、22日

2. 18端(条)のポテの発見―

   レンボンの葬儀礼 2005年12月23日

3. サルプッティの「死者の組紐」 2008年 12月16-17日

a. ポテの組成技法の2人の伝承者

b. 9及び11ループによる2連角組の組成法の記録

IV. サルプティ・メソッドと連結法

おわりに

 

 

はじめに

ママサ Mamasa、サッダン・トラジャ Sadan Toraja のループ操作組紐シリーズ第3回目として本稿は「サッダン・トラジャの葬送鉢巻ポテ」を取り上げる。編 註6) これは2005年2-3月、8-9月、12月、2006年12月、2007年4月、2008年10-12月に実施した現地調査に基づくもので、サッダン・トラジャのループ操作組紐の調査報告としては第2回「基本技法とその袋の口紐への応用」に続くものである。前回2006年の報告以来3年の歳月を要したのは、固有の宗教アルク・ト・ドロ(alk to dolo)の教えが キリスト教の理念に包摂され、旧来の諸行事は遺棄されるなど、以前人々の生活を支えていた土着文化が次第に姿を変えていること、またかつてこれに携わった 人々の多くは亡くなるか高齢化し、正確なデータの入手が非常に困難なためである。こうした中で昨年(2008年)10−12月 の3ヶ月の集中した調査が実現し、これまで知られていなかった葬送鉢巻製作の実像がようやくその姿の一部を表した。

 

T.ループ操作組紐の分布と発達の特質及び調査経過

主題に入る前提としてタナ・トラジャ県 Tana Toraja Regency と北トラジャ県 Toraja Utara Regency註1におけるループ操作組紐の分布を概観し、その発達の特質を素描する。昨年3ヶ月の調査とそれ以前の調査研究の結果を総合し表1と2にまとめた。表2はトラジャ両県におけるループ組紐の使用ループ数 及び種類を地域別に分類したものである。編 註7

 

1.トラジャにおけるループ組 紐技法及び組紐の呼称

ループ操作組紐

マン・カッビッ mangka'bi'

2本以上連結した組紐

マン・カッビッ シタドアン mangka'bi' sitadoan

角組

カレブ kalebu

平組

パピパン papipang

2畝平組2本同時

ディピアック dipiak

 

2.トラジャの組紐の種類及び 使用ループ数

人 数

ルー プ数

組 紐 の 種 類

地 域

1

5

角 組、

4 畝平組、2畝平組2本同時

全 地域

1

7

角 組

西 部Rb郡

2

9

2連角組

 

8畝平組

南 部Sg郡、西部Rb郡・西部Sp郡

南 部Sg郡、北部Bt郡

2

11

2連角組

西 部Rb郡・ 西部Sp郡

2

10

2連角組、8畝平組(?)

北 部Bl郡

3

15

レー ス12畝平組

北 部Bl郡






(注 記)

SulawesimapE.jpg1.但し2008年12月までの調査資料による。

組 紐の存在は

A. 組紐の実例の存在

B. 技法に関する過去の製作者を含む複数の情報提供者の存在、

A、Bいずれかが確認できたことを示す。

2.1〜3人の組人数毎にループ数は「奇数」を最初に、次に「偶数」を置いた。

3. 地域名(番号は地図上の位置を示す)

Rb/20 レンボン Rembon、 Sg/23 サンガッラ Sangalla、

Sp/14 サルプッティ Saluputti、Bt/3 ブンタオ Buntao、

Bl/7 バルス Balusu、16 ビッ ツアン Bittuang.

4. ブ ンタオ郡は北部に属する。しかし隣接する南部サンガラ郡から文化的影響受けている。

 

torajadistrictmapJ.jpg

トラジャ両県地図

 

まず第一に、ループ数5の3手順 による3種類の組紐(角組、4畝平組、2畝平組2本同時)がトラジャ全地域で観察される。編 註8

加えて7ループによる角組も西部 レンボン郡 Rembon district で採録された。他方昨年11月ママサにおいて二つの 地域でループ数が偶数4及び8のループ組紐製作を記録した。註2しかしトラジャでは基本手順の組紐では、奇数5、7ループ組成の例はみられたが偶数ループの例はみられなかった。ここでは基本手順におけるママサとトラジャの基本的同一 性と部分的な差異に注目したい。

 

第二にトラジャにおいて、2人の組み手による2連角組の組成技法が地域によって異なる発達を示している点が際立っている。すな わち北部バルス郡 Balusu district では偶数10ループを使っ て、南部と西部では奇数9ループを使って製作されていた。11ループ組成もあったと伝えられている。

そもそも10ループ組成2連角組 は5ループの角組を2本連結するという組紐技法の自然な発達を示している。註3それに対し奇数9ループ組成2連 角組紐の存在は筆者の知る限り例外的で、2006年春このシリーズ第2回スラウェシ島のトラジャにおける報告が最初であったと思われる。その後2006年 12月スイスのシュパイザーはイギリスの17世紀のパターン・ブック10冊の文献にある約250例を調べ、その中から2例の4手(2人組)9ループ組成組 紐に関する記載を発見したという経緯がある。しかしこの組紐は2連角組ではなく、内部が空洞の組織であったとのことである。註4

さて 本稿の主題は、「9ループ 組成2連角組」についてである。2005年西部地域における調査で、9ループによる葬送鉢巻の存在が明らかとなり、さら にその組成法が昨年2008年12月に初めて記録された。9ループによる組紐はマンカッビッ・ トマテ(mangkabi tomate)即ち「死者のための組紐」ともいわれ、もっぱら葬送鉢巻ポテとして製 作された。従ってこの組紐は贈答、売買が目的で個人、集団で製作する組紐とは性格を異にし、製作者は共同体の一員として決められた場所で作業に従事する。 トラジャ南部地域に於いて、このように独特な技法によるポテの儀礼的製作が発達したことは、プアン(puang)と呼ばれる首長の支配する強力な階層制度 をもった首長国の形成が社会的背景としてあると推察する。 (註5)

また南部地域に隣接する北部ブンタオ郡 Buntao district (3) や西部地域レンボン (20)、サルプッティ郡 Saluputti district (14) にまでその技法は広がっている。(参考文献:Bigalke 2005:15)

9ループ組成の組紐はキンマ入れ袋の口紐にもみられる。南部サンガラ郡 Sangalla district (23) 及びブンタオ郡で使用されていた2点のセプ(sepu/噛みタバコ用袋)の口紐には、9ループを用い2人組で組まれた8 畝平組紐が縫付けられている。2008年この技法を記憶する女性がブンタオに在住し、技法採録を試みた。トラジャ、ママサを通してこのような組紐の組成 ルー数の変容がこの地域に限ってみられることから、奇数を指標とする葬送の慣 習と関連したポテ2連角組製作技法が、袋の口紐の平組紐に影響を与えたと推察 する。註6

一方10ループ組成2連角組技法 に関しては、2008年12月の調査で北部バルス (7) においてかつて行なわれていたことが確認され、その基本的な操作法が記録された。註7この偶数10ループによる2連角 組はママサのバッラ地域 Balla district でも見られたが、バルスで採録された連結法はママサと同様の技法を示している。編 註9因みにママサでも、10ループに よって2連角組と8畝平組の両技法が同時に存在したことが2008年に確認された。

 

U. 男性用鉢巻ポテの概要

1.葬送被り物/ポテとは

ポテは男性用の輪状鉢巻と女性用の頭巾の総称で、土着宗教の葬儀において 禁忌に従う親族が使用する。男性用ポテは木綿糸によって、ループ指操作組紐技法で作られている。西部レンボン郡、サルプティ郡ではこれをパッタリカ(pattalika)、あるいはタリカ(talika)、また南部サンガラ郡ではベケ(beke)と呼ぶTaliあ るいはbeke はいずれも紐を意味する。註8一方女性用ポテは織布を仕立てた頭巾で、その裾にループ操作組紐の多数の 長い房をもつ。ポテ・ルンドン(pote rundung)また はポテ・ルッルン(pote lullung)とも呼ばれ、女性の黒髪に喩えれる。トラジャ人の 生活は生と死のライフサイクルのニ極の要をなす「西の儀礼」(West ritual)と「東の儀礼」(East ritual)を中心に展開する。これら男性用女性用ポテは「西の儀礼」である葬送儀礼の中で使用され製作される極めて儀礼的染織品である。染織品ポテの 規格である文様構成や組紐のループ数などは、慣習的規則としての「タブー」に含まれ、葬儀の位階すなわち「供犠に臥す水牛の頭数」によって定められた。し かしポテ製作が絶えて久しい今日、このポテに関わる諸事実を正確に把握することは難しい。

 

2.男性用葬送鉢巻ポテの形状と組織構成

b12pic5b.jpg男性用ポテはループ操作組紐によって作られた鉢巻である。本来は木綿の手 紡ぎの、縒りの強い双糸を通常4〜8本時にそれ以上の本数を引き揃えて使用している。木綿の手紡ぎが行な われなくなった時代の後期のポテでは、細い紡績糸を束ねた結束糸を使用している。3はこれまで入手したポテ及び現地で観察記録した主要なポテの特質を一覧表に したものである。まず当初、筆者は先端に輪をもたない6例のポテ(A〜C、E〜G)を観察記録した。それらの形状 は頭周より少し長い1本の組紐の両端を重ね合わせ、数箇所縛りあるいは縫い合わせて円形に固定したものである。続いて2005年以降、先端に角組や2連角 組の輪をもち、そこに他端を通して円形に成形したポテを発見した。(写真5b) この6例のポテ(D、H〜L)は先端 輪の後続部分に輪部とは異なる種類のループ組紐を取り合わせ、変化に富んだ構成をもっている。表3のH、K、Lのポテでは2連角組を組んだ後、両端の組み 糸を合わせて先端輪部とし、合わせた2倍の組み糸を1要素として、次の2連角組を組んでいる。他方I、Jのポテでは2連角組の先端輪部から直接多数の角組 紐が続いて組まれている。

 

3  主な男性用ポテの組成と構成―トラジャ南部、西部

記号

使用地域

 

組紐の種類と構成

2連角組部

の要素数

写 真

1本の角組→11本以上の角組

10)

a,b   

西 部 K郡 

生 成

1本の2連角組(一部4畝平組2本同時)→22本角組・1本未組の房

18

 

西 部 K郡

生 成

1 本の8畝筒状組紐→10本角組

18


南 部

Md郡

角 組の輪→1本の角組

8本の2畝平組と1本の角組

10)

 

 

西 部

Rb郡

生 成

2連角組1本

18

2

西 部

Rb郡

生 成

2連角組1本

18

 

南 部

Sg郡

2連角組1本

18

 

H

南 部

Sg郡 

2連角組輪→1本の2連角組→9本角組

18(?)

3

南 部 M郡

2連角組の輪→14本の角組

(?)

4

南 部 M郡

生 成

2連角組の輪→28本の角組

(?)

5a,b

南 部 M郡

2連角組の輪→1本2連角組→26本角組

(?)

南 部 M郡

生 成

2連角組の輪→1本の2連角組→

18本の2畝平組

18(?)

 

(注 記)

1. 2連角組を含まないポテについては「太い1本の角組の要素数」を括弧中に記した。

2. 使用地域(番号は地図上の位置を示す)

K/14 クッラ Kurra、 Md/24 メンケンデック Mengkendek、Rb/20 レンボン Rembon、

Sg/23 サンガッラ Sangalla、 M/22 マカレ Makale (トラジャ両県地図参照)

 

ところで表のポテA及び輪のあるポテは、上記のような異なる種類や太さの 組紐への移行部が楕円形の「瘤」になっている。この「瘤」は多数の細い組紐を束ね、固定する箇所にも見られる。このよう な「瘤」は移行部の組み糸の乱れを隠し覆うために施されていると思われる。同時に「瘤」の表面は細かい網目やビーズなどで飾られ、装飾的効果も発揮してい る。資料では「瘤」の表面は筒状表面に施した環状単一連環組織(circularly worked, simple looping)である。註9< /span>ポテにみられるこの技法は一枚の袋状のルーピング組織でる場合と、刺繍のように内部の糸に縫付けている場合(looping stitches / Two Single Elements: simple looping on an foundation element)の二つがある。註10

このように先端に輪をもち移行部に「瘤」 をもつポテには、高度な組紐とルーピングの技巧を駆使した伝統的な様式が備わっている。20世紀中葉以降このような技術が急速に衰退し、B、C、E、F、Gのような簡素な作りのポテが製作されるようになった。

その時期は手紡ぎ糸が姿を消し、紡績糸の使用が一般的となった第二次大戦 以降のことと思われる。

 

3.組紐移行部におけるループ再分割

先端に輪をもつポテはいずれも2 連角組から角組あるいは2畝平組二本同時への移行部をもつ。最初2連角組を組成するのに用いられたループ数の組み糸はここで、 「角組紐あるいは2畝平組紐の組成ループ数の5倍」のグループに再分割される。これは最初に組まれる2連角組の1要素が多数の双糸から成ることか ら可能となる。またこの再分割はループ1本につき最少1本の双糸から適当な複数本の双糸に及び、半端は全てのループに適当に配分されることになる。

次節で述べるように、ポテの2連 角組の組成ループ数は慣習として奇数「9あるいは11」であったことが情報提供者によって明らかにされた。表3においてポテB、C、E、D、Gはその2連 角組が9ループ組成であることが確認されている一方「輪のあるポテ」はいずれも「2連角組の要素数」すなわち組成ルー プ数は確定することができなかった。註11

ここでこれらポテの「2連角組の組成ループ数」を検討するために、尾部の角組紐あるいは2畝平組紐の本数とその関係について考察する。

ポテHは後半に続く角組が9本、 ポテLは2畝平組が18本といずれも「9」の倍数を示している(表3)。このことは9ループ組成2連角組の組成単位に基づいて、 後続の角組や2畝平組が組まれていることを示唆する。しかしポテI、Jは尾部角組紐の本数が14、28で「14」の倍数、ポテKは26で「13」 の倍数を示す。ループ数9のポテHとLの例に従えば、このデータからIとJの2連角組は14ループ組成、Kは13ループ組成という推論が導きだされる。

14ループ組成」の可能性に関 して云えば、トラジャのこの地域の慣習及び技法上の特質から偶数14ループ組成2連角組である可能性は極めて低いと云わざるを得ない。すなわちトラジャ西 部地域でポテの奇数組成ループの位階は葬儀の地位を表す慣習法であったばかりではない。技法においても、2人が異なる本数のループを持って行なう奇数ルー プ組成2連角組に適した独自の操作連結法を発達させた。(V 節3b参照)従って操作上の観点からも、2人 が同数7ループもつ14ループ組成2連角組製作が同地域で、同じ目的のために混在して行なわれていたとは考え難い。

13ループ組成」の可能性に関 して、情報提供者達の証言にそのデータはみられない。(V 節2表4参照)だが次の2点でその可能性を留保 する。第1点はトラジャのこの地域で7ループ組成角組が行なわれていたこと(V節1参照)、 第2点は二人の組み手が6本と7本のループ持って行なう2連角組操作は、9ループ組成2連角組で二人が4本と5本のループ持って組む場合と手持ちのループ 数の違いを除けば、同じ組み手順で行なうことができるという理由による。

ところで上記「14、13ループ 組成」の二つの推論は「移行部の再分割が2連角組の組成単位で行なわれたとすれば、尾部の角組紐又は2畝平組紐の本数はその前に組まれた2連角組の組成数 の整数倍を示す」と云う前提からなされている。例えばもし2連角組1組成単位が6本の双糸から成る時、後続の角組は1-1-1-1-2 の双糸による5ループで組まれる事になる。当然なことながら初 め5の倍数の双糸が用いられた時は、過不足無く角組の組成数5で分割できる。

 

次に2 連角組の組成単位に基づかない再分割が行なわれた可能性を考えてみよう。すなわち2連角組 の組成単位を取り払い、ループ総数が後続の角組組成に必要なグループ(角組紐の本数×5)に再分割される可能性である。この再分割の方法に従えば2連角組 が9ループ組成であっても、組成単位が5の倍数の双糸では無い時、角組本数が14や28となる場合もあり得る。従ってこの条件では尾 部の角組紐の本数はその前の2連角組の組成ループ数を直接反映しない。よって先のポテの角組紐本数14,28,26は必ずしも2連角組の組成数を 示唆するとは限らないという結論が導かれる。

個々のポテの観察あるいは写真 データから、2連角組の1要素を構成する双糸は5本前後から10数本と全く一様でない。この様にポテ製作の最初の 組み糸の配分の多少は、準備された手紡ぎ双糸の太さに左右されることが多かったのではないかと見る。このような製作現場の流動的条件を考慮したならば、再分割は先行の2連角組の組成単位に必ずしも基づくとは限らない。むしろ要求される角組の太さに見合った双糸の本数を得るため、最大 限に均等なループの分割方法が取られたのではないかと推察する。それらの組み糸の乱れは、最後の仕上げである楕円の瘤状装飾によってカバーされた であろう。

 

4.ポテの構成と製作過程

すでに述べたように、ポテは紡績糸による単純な組紐の構成のポテと、手紡 ぎ糸による複雑な構成のポテが見られる。後者は2連角組の先端輪を持つことが多く、異なる種類の組紐への移行部が瘤状に装飾されているなどの特徴をもつ。 ここで個々のポテの特徴を詳細に観察し、その製作過程を推定してみよう。

1)先端に輪をもたないポテ                   

ポテA (写真1a ポテA全姿, 1b 瘤部分 )

 

b12Pic1b.JPGポテAは5ループで組成された一本の太い角組と続く多数の細い角組で構成されている。Z撚り双糸の手紡ぎの糸が使われている。組紐は 2箇所のb12pic1a.JPG「瘤」とコイリングによって円形 に固定され、組み始めは「瘤」の内部に隠れて見えない。もう一つの「瘤」は末端に施され、多数の角組紐を束ねている。三つの「瘤」はウズラの卵大で大変硬 く、内部に紐に糸を巻き付けた「土台」があるとみられる。その表面の単一連環組織は内部の糸に縫い付けるように施されている(looping stitches / Two Single Elements: simple looping on a foundation element)。最後の短い房は白、赤、黒のビー ズで止められているが、かなり摩耗し糸とビーズ を一部喪失している。黒色の退色と組糸の摩耗からポテAはI、J、K、Lと並び製 作年代の古いことが窺える。

 

ポテB、C、E、F (ポテE/写真2)b12pic2.jpg

ポテB,Cは西部クッラ郡 Kurra district で入手したもの、E、Fは後述するレンボン郡の儀礼で記録したものである。これらのポテは2連角組のみで構成されていて、18要素9ループ組成であること が組端から容易に確認できる。BとEに紡績糸を用いていることは、手紡ぎ糸を作る技術が衰退した戦後もこの地域において、2人組みポテ製作が続けられてい たことを示している。

 

ポテBには左右の耳が開いている箇所が見られるここは2連角組ではなく2枚の4畝綾織組織平組が重なっている。これは2人の組み手 が角組ではなく平組の手順を一時的に行なったことを示す。だがその理由は明らかではない。またポテCは2連角組ではなく内部が空洞即ち8畝綾織組織筒状組 紐であることを示している。この組紐組織はポテとしては例外的と思われる。註12

b12pic7.jpg 写真7は儀礼で祭司トミナア(tominaa がポテE を着用しているところである。丸く形成した組紐の末端を房とし、頭部片側から垂れ下がるように着用する。

 

 

 

 

(2) 先端に輪を組み込んだポテ

ポテD、H(ポ テH/写真3)

組み始め先端の輪が角組であるポテDを南部メンケンデック郡 Mengkendek district の儀礼で確b12pic3.JPG認した。先端輪部が「角組」であるポテはこの1点確認するのみである。ポテHは先端に小さな2連角組の輪をもち、紐状のままサンガッラ郡 Sangalla district で発見された。S撚り双糸の手紡ぎ糸が用いられている。組紐末端が一部切断されずループが残っているので、尾部の角組1要素の双糸本数が2であることが明 確に分かる。比較的正確に製作過程を推定することができる貴重な資料である。

 

<ポテH-製作過程推定>

2連角組部を9ループ組成と想定する

 

a. 2連角組の 輪部/1要素につき5本の双糸の組み糸を用意したものとする。9ループを用いて2連角組を7 cm組む。

b. 次の2連角組 部/組んだ2連角組紐の巾の広い面を外側に折り畳み、両端の組み糸を合わせ、1要素を10本の双糸とする。(編 註10) 9ループで2連角組を70cm 組む。

c. 角組部/9 本のループをそれぞれ5分割し、1要素2本双糸の5ループセットを作る。この5ループセッ トを使って9本の細い角組を30cm 組む。

d. 移行部/組 紐移行部2箇所を環状単一連環組織で覆う。はじめの移行部は片面のみ、次の移行部は紐の全周囲に編みを施している。

 

二つの移行部は他のポテのそれが膨らみをもつのに対し、平らで内側に糸を 巻き付けている形跡が見られない。移行部の組み糸の乱れがあまりないため「瘤」が必要なかった、あるいはこのポテが製作された時代「瘤」を作る技法がすでに失われていたなどの理 由が考えられる。

 

b12pic4.jpgポテI、J(I/写真4、J/写真5a, b)

組紐の構成が似通ったこの二つのポテは伝統様式の粋を表現した逸品であ る。Iは泥染めによる黒、Jは生成で共に手紡ぎの糸が使用されている。先端2連角組部の後に多数の角組が組まれ、 その移行部を装飾的な「瘤」で束ね、結合している。輪部は I は2連角組紐の巾の狭い面を表に、Jは広い面を表にして輪を作っている。角組の本数はポテIが14、ポテJが28本である。先端部の2連角組の組成ループ 数は9、11、13など考えられるが特定できない。(前項「組紐移行部のループ再分割」参照)

ポテIは楕円の「瘤」表面がビーズ・ワークで装飾されている。内部は単一 連環組織によって覆われているのがビーズのほころびの隙間から見える。ポテJの「瘤」は中央部がやや膨らんだ細長い紡錘形である。単一連環組織の脚の間隔 が広く、輪の糸が横方向に長く延びている。それに対し縦に繋がる脚の斜行畝がくっきり浮き上がり、印象的な装飾となっている。この組織はポテAのように内 部の糸に縫付けられないで独立している(One element: circularly worked, spaced simple looping)。

 

<ポテJ-製作過程推定>

写真観察と尾部の角組の本数から、かなり多数の双糸(10本前後)がはじめの2連角組の1要素に使われているとみられる。

b12pic5a.jpga. 輪部/組 み糸1要素に10本近い双糸が使われたものと仮定して用意し、中央部に2連角組を約16cm組む。

b.角組部/両側のループを適宜に5ループセットの14グループに分割し、10要素の角組を14本組む。両側で合計28本の角組ができる。

b12pic5b.jpgc.瘤状移行部/2連角組の巾の広い面を表側に折り畳み、両側 を合わせ28本の角組を束ねる。移行部約4cmに糸を巻き付け「瘤」の土台を作る。表面を随意の糸と針を用い、輪脚の間隔が開いた環状単一連環組織 (circularly worked, spaced simple looping)で覆う。(写真5b)組紐の末端に多数のビーズを通し止める。

 

ポテK・L (K/写真6)

b12pic6.jpgKは黒、Lは生成である。Kは撚りの緩い双糸 からなり、組み始め部分には多数の(10本前後)双糸を1要素として使っている。両ポテ共に先端の輪部を2連角組で組んだ後、両端の組糸を合わせ一本の2 連角組を組んでいる点、ポテHと共通している。

Kは尾部の角組が26本である。 2連角組の輪の部分は13ループ組成、すなわち既述の通りループ数6と7の2本の角組を連結したと見ることが可能であるあ るいは第二の再分割の方法(2連角組部の組成数を基にしない再分割)をとれば、2連角組部が9ループ組成あるいは11ループ組成である可能性もあり得る。

Lは尾部の組紐が18本の2畝平 組、すなわち5ループ組成で9本の2本同時組紐が組まれている。従って2連角組部は9ループ組成で、各要素には5の倍数本の双糸(細い外観から5本の双糸 と推定する)を使用していると推論できる。

これらポテKとLは組み終わった後、2〜3箇所の移行部と結束部を単一連環組織で覆った楕円形の「瘤」で固定している。

 

V 葬送鉢巻ポテ 技術解明への道程

次に、伝統的宗教的慣習に基づく2 人組の組紐製作と奇数ループによる2連角組の組成法を記録するまでの4年間の調査過程を明らかにする。今日トラジャでループ組紐は、キンマ袋セプの紐とし て注文によって個人的に生産され、組紐の付いた趣向を凝らしたセプを儀礼でもつのが一種のファッションになっているように伺える。一方葬送鉢巻のための組 紐製作は途絶えてしまっている。2004年以来筆者は女性用葬送頭巾の織手を探してレンボン郡を訪れるうち、男性用ポテに関する貴重な情報を得た。

 

1. レンボンの組紐伝承者を訪問 2005年12月17、22日

Pvillage_pic9edited.jpg

旧タナ・トラジャ県西部地域レン ボン郡は古い習俗が残ることで知られている。P村にポテ製作者がいると聞き、2度にわたり訪れた。第1回目の訪問 で、ポテ製作者であった妻のネネE(nene E)はループ数3、5、7の組紐、さらに2人 の組み手による9ループの組紐の組み方を知っていると語った。10ループ2連角組組成法はママサで行なわれていたが、この聞き取りによって「9 ループを用いた組紐の伝統」が初めて研究の俎上に登ったのである。ネネEはループ数3と5を使う組紐とループ数9の2人 組の実演を行なった。2人組の相手は筆者が務めたが、ネネEが相手の動きを指示することができず、9ループ組紐の採録はこの時完結しなかった。(写真9上 しかしこの試みはその後、9ルー プによる2人組組紐の組成法解明の大きなヒントとなった。さらに2度目の訪問では儀礼祭司トミナア(tominaa)であった夫が在宅し、「組紐のループ 数と葬儀の規模の関係」について新たな情報をもたらした。(表4

Pvillage_pic8.jpg

 

最後に妻が組み手、夫が打ち手と なり7ループによる角組組成を実演してくれた。これはトラジャ及びママサにおける初めての7 ループ角組組成法の実録である。これまでの両地域の調査では5ループ使用の場合、ループ移動に薬指を使う。しかし7ループの場合は小指を使う。 (写真8)

 

 

[9ループ組成ポテ・2人組の試み] 2005/12 P村 (写真9)

<実録>

(以下では初期以外は操作後のループ 配置を示す)

 

ループ初期配置: ネ ネE: 外手2、内手 3; 筆者K 内手 2、外手 2

操作回数

E 外手

E 内手

K 内手

K 外手

操作

初期配置

2

3

2

2

 

1

2

3

2

2

Eが5ループで2操作組む、

Kは4ループをもち待機

<以下Kの仮説>

 

 

2

2

2

3

2

Kは内手人差指でEの内手人差指ループの上糸 を上から掛けて取る

 

 

 

 

 

(EからKへ連結操作)

3

2

2

3

2

Kは5ループで2操作組む、Eは 待機

4

2

3

2

2

EはKの内手人差し指ループの上糸を上から掛けて取る

 

 

 

 

 

(KからEへ連結操作)

初期配置にもどる

 

 

 

ここでは2人の組み手間のループ 連結移動操作に関して仮説として記述した。この仮説的方法はこの地域の固有の方法と同じであったことが後に証明された。W節で詳述。

 

1. 18条のポテの発見――レンボンの葬儀礼 2005年12月23日

P村訪問を終えた翌日、近くのS 村で土着宗教アルク・ト・ドロの葬儀があり、泥染めの儀礼マッボロンma bolongが 行なわれることを知る。註13男性・女性用ポテは他の白布とと もにこの泥染め儀礼で黒く染められる。早朝バイ クで険しい山道を分け入りS村に到着、多くの参列者と穀倉の下でコーヒーを飲みながら儀礼の始まりを待った。2人 の男性が白い鉢巻・ポテを被って働いているのでそれを見せてもらう。一方のポテは紡績糸の結束糸を(表3E写真2)他方は手紡ぎの糸(表3F)を使っている。(断面が)幅広の四角形で、8畝で構成された組紐である。頭周の大きさの円形にして紐で結わえてある。房の末端のループ端は切断され、その糸端を数えると2点とも18であった。要素数18すなわち9 ループによって組まれたことを示している。これらのポテは先のP村のネネEの証言が事実であったことを示している。さらにこの日、男性参列者2人から葬儀 の過程におけるポテ製作と喪明けとの関係、組紐のループ数と犠牲水牛の頭数の関係などについて重要な証言を得た。表4は P村とS村で情報提供者から得た証言をまとめたものである。

 

 

4 葬儀の規模とポテのループ数の関係 -- レンボン郡S村、P村での聞き取り

葬 儀での水 牛の 屠殺頭数

ルー プ数 (P村)

ルー プ数 (S村)

3

5

5

5

7

7

7

11

9

9−12

 

11

 

 

2. サルプッティにおける「死者の組紐」 ―2008年12月16、17日

a. サルプッティの2人の組紐伝承者

SpPic10b.JPG

(写 真10b: インドBが右手でインドMの左手のループを取る。撮影 日下部啓子)

3年 後の2008年12月、先のレンボン郡に隣接するサルップティ郡で調査の機会を得た。ここは西方ママサへのルートが始まるビッツアン(Bittuang) (地 図16)まで18キロの地点にある古い伝統や信仰が依然として残っている地域である。地元の協力者がループ組紐マン・カッビッの出来る女 性を探し出してくれた。その人は60歳代の女性でインドM (indo M) という。註14彼女は最初に「生きている人のた めの組紐 (pangkabi orang hidup)」と「死者の為の組紐 (pangkabi orang mati) 」があると話を切り出した。前者は5ループ、後者は9ループで組む組紐であるという。9ループの組紐はこの地方で最高規模の葬儀であるディラパイ (dirapai) かその次のランクである7日7晩の葬儀、ディパピツン・ボンギ (dipapitung bongi) ではじめて製作することが許される。それらの葬儀では9頭以上の水牛が供犠に臥されると語った。その女性が最後に死者の組紐ポテを組んだのは1987年に 行なわれた葬儀であった。丁度その葬儀を行なった家族が居合わせ、その模様を詳しく聞くことができた。その時のポテ製作の相棒はインドB(indo B) と云い、レンボン郡に住み今も健在であるという。直ぐに「今日中にその婦人を探し出し、9ループ2人組の試みを行ないたい」という私の強い要望を協力者に 告げた。この土地では我々の想像を越えて高齢者の移動が激しい。病気、行事などの理由で遠くに住む(時には海外の)子供、孫のところに移動、旅行するのが 日常茶飯事である。大捕物のような捜索の末、まさに劇的にサルプティの息子の家からからレンボンの家に帰る道中のインドBを探し出した。80歳は優に越え ていると思われる凛とした気品あるその女性は目が不自由であるにも拘わらず、二日間の実演を最後までやり遂げた。昔綿を植え、糸を紡いで葬送頭巾ポテを 織った織手でもあった。

 

Sppic10d.jpgb. 9ループと11 ループによる2連角組の組成法の記録

 

インドBはループ数9以外に11を用いる組紐も行なわれていたと語った。表4の二つの証言と合わせると、11ループ組 成のポテがかつて存在したという情報はかなり信憑性がある。しかし 11ループで組成されたと考えられる要素数22のポテはまだ確認されていない。第一日目は9ループ、二日目は11ループを試みることになった。インドBの 息子の家、舟形伝統家屋に面した穀倉(alang)下で男性が打ち手を務め、時にお喋に興じ、また追悼歌マ・レッテン(ma retteng ) を詠いながら、時を遡る組紐の共同作業は二日間続いた。註15 (写真10 d)

 

9ループ・ポテ(死者のための組紐)

<実録2>

初期配置インドB 外手 3、内手 2、 インドM 内手 2、外手 2

(以下では操作後のループ配置を示 す)


操作回数

B外手

B内手

M内手

M外手

操作

初期 配置

3

2

2

2

 

1

 

2

3

2

2

B操作/内薬指で外手人差し指の ループの上糸を上から掛けて取る M待機

2

2

2

3

2

Mが内手人差し指でBの内手人差し指ループを上から掛けて取る

 

 

 

 

 

(BからMへ連結操作)

3

2

2

2

3

M操作/外手薬指で内手人差し指 ループの上糸を上から掛けて取る、 B待機

4

2

2

3

2

M操作/内手薬指で外手人差し指 ループの上糸を上から掛けて取る、 B待機

5

2

3

2

2

Bが内手人差し指でMの内手人差し指ループを上から掛けて取る

 

 

 

 

 

(MからBへ連結操作)

6

3

2

2

2

B操作/外手薬指で内手人差し指 ループの上糸を上から掛けて取る 、 M待機

 

 

 

 

 

初期位置にもどる


   2と 5は連結移動、1, 3, 4, 6は組み操作

   移動及び操作では共にループの上糸を上から掛けて取るが、組み操作の場合はループの上糸と下糸が入れ代わる「閉」移動、連結移動では、ループの上糸下糸が 入れ替わらない「開」移動になる。

 

ループ数11の試み(概略)

二日目の11ループの2人組組成 法は完全に採録するまでに至らなかった。インドBは目が不自由なため両手にループを6本もって操作する際、しばしば取り間違えた。その結果各段階における ループの位置が定まらなかった事が第一の要因である。さらに相手のインドMが11ループの組紐の経験がなかったと思われ、それが不成功の二次的要因として 挙げられる。しかし2人の組み手のループの遣り取りに関しては、9ループの場合と同様の連結法であることが推量できた。以下操作の概略のみ記録した。

<操作概略>

(以 下では初期以外は操作後のループ配置を示す)

操作回数

B 外手

B 内手

M内手

M外手

操作

初期 配置

3

3

2

3

 

1

3

3

2

3

Bが2操作組む M待機

2

3

2

3

3

Bが内手人差し指ループをMに与える

(連結移動)

3

3

2

3

3

Mが2操作組む B待機

4

3

3

2

3

Mが内手人差し指ループをBに与える

(連結移動)

 

 

 

 

 

初期配置にもどる

 

 

IV. サルプッティ・メソッド (Saluputti Method) と連結法

未知であった「死者の組紐」の組成技法が遂に明らかになった。その操作は2人がそれぞれ5と4ループを両手にもち「5ループもつ操者が1手順の組み操作を行った 後、4ループもつ相手に1ループ渡す」という逐次的な連結法によるサイクルで進行する。ここ、サルプッティで記録された 2連角組のこの組成法をサルプッティ・メソッドと呼ぼう。この操作法はママサで採録した連結法やヨーロッパの記録に見られる連結法に比して大変時間を要す る方法であるが、現地での採録の経験から、ゆったりとした2人の組み手の交互の動作と緩急のリズムは共同体の儀礼的営為に適っているように思われる。このサルプッティ・メソッドの採録によって、筆者の仮説であった連結操作法が この地域の伝統的な技法と一致していることが証明された。その仮説の一つは2006年本ニュース第9号で発表した セプ (betel bag) の口紐である8畝平組紐に関して、もう一つは本稿V節で述べたポテ2連角組紐についてである。いずれも9ループ4手組紐を逐次的な連結法によって組成する 方法を示したものである。

 

1.シュパイザーの二つの連結法

シュパイザーはループ操作組紐研究を集大成した著書 Old English Pattern Books For Loop Braiding の中で、複数の組み手によるループ組紐に多くのページを割いている。そこには、ヨーロッパの伝統的製作記録として、スウェーデンで1920年頃3人組ルー プ組紐の再現の試みが行なわれた写真が掲載されている。註16ここでシュパイザーは文献的研究に基づき、一般の連結操作法としてregular exchange法の定義を与えている。この連結操作では2人の組み手 がループ交換を同時に行い、その後同時に組み操作を進める。一方シュパイザーはそれ以前に、組み操作とこの連結操作を連動する 方法を提示している。註17

スラウェシ島における筆者の調査ではこれらの連結法と関連する、次の二つ の連結法を記録した。

(1) シュパイザーの後者の「連動連結法」を2008年ママサ県で記録した。この組紐は10ループ組成2連角組と8畝平組であった。

(2) これに類する「折衷的方法」を2006年同じママサ県で2005, L-M BRIC ニュー ス8号)、さらに2008年北トラジャ県 バルス郡で記録した。これらの記録した組紐はいずれも10ループ組成2連角組であった。これは一方方向の連結には「連動連結法」を使い、反対方向では単に 片方の内手人差し指から他方の内手人差し指 にループを移動するものである。

 

2. 逐次的連結法としてのサルプティ・メソッド

シュパイザーによって規定された既述の二 つの連結法―「regular exchange法」と「連動連結法」―はサルプッティ・メソッドにみられる「逐次的連結法」と比較すると次の2点に特徴がある。

(1)「操作」が同時に、継起的に行なわれる。

(2)2人「連結操作」の後、「組み操作」が同時進行する。

 

最後に連結法と組紐の組成ループ数との関係について検討しよう。これまで筆者が記録した逐次連結法は奇数9ループ組成の4手連結組紐に関し てであった。すなわち2人の組み手が異なるループ数5と4を持って組む場合である。ところがシュパイザーが二つの連結法を示すために例として挙げているのは組み手が共に同数5ループもつ場合、すなわ ち5ループ組成の組紐の結合である。このような二つの要因(組成ループ数と連結法)関連から、「組紐組成するループ数が連結法を決定するや否や」という問題に突き当たる。

 

この問題についてシュパイザーは2006 年12月1日付私信で次のように指摘した。

In my technological work I always look out for the ESSENTIALS to separate the independent parts of a working process: in loop-braiding・・・・・, then the number of loops, then the nature of the passages・・・・and the manner of exchanging.

私は、技術的な研究に於いて、相 互に関係しない工程を区別するためにその中から基本的なことをよりだすように心がけている。 ループ組紐では 即ち(三つの要因)――ループ数、組成される組織の性質そして交換の仕方――

 

またさ らにそのことを2006年12月4日付私信で次のように強調している。

As method for connecting braids it is totally independent of the number of loops and the braiding movements.

組紐を連結する方法は、ループ数 と組み方には全く関係がない。

 

シュパイザーの定義によると、「同 時交換法」であるregular exchange」9ループ組成でも可能であるこ と、逆に10ループ組成においてもサルプッティ・メソッドに見られる逐次的連結法が可能であることを意味する。シュパイザーは数人がそれ ぞれ5本のループを持ち、2連、あるいはそれ以上の連結した組紐を製作することを想定し、交換法によらず、逐次的にループを受け渡して進行する操作法が可 能であることを図示した。実際、9ループ2連角組を組成するとき、これら3種の連結法のいずれをも適用することができることを筆者自身確認した。このようにシュパイザーは本質論的な見方と研究方法を示した。

しかしサルプティでの採録が示すように、9ループ組成の組紐が同時交換法や連動連結法ではなく、逐次的連結法によって伝統的に製作されてきたことは紛れもない事実で ある。組み手が同数ループ持つか異なるループ持つかという条件は、ループの2者間の連結移動に少なからず影響を及ぼす。 これは組成過程諸要因の分析的把握と次元を異にし、具体的諸条件が技法の展開(可能性)に及ぼす作用の問題として考えるべきである。トラジャの2連角組9 ループと10ループが行なわれていた二つの地域において、同時に二つの異なる連結法を記録したことは、何よりそのことを指し示していると考える。

 

さいごに

W節で連結法の問題についてスラウェシ島のデータの分類と分析及び一般論 を詳細に展開する予定であったが諸事情から適わなくなったそこで「サルプティ・メソッド」として連結法の問題を簡潔に 述べる留めた。7月に連結法の問題を扱ったシュパイザーとボウトルプの著書が出版されると聞き、それに期待したい。編 註5)

最後に長い期間に渡る現地調査に時間と労力を惜しまず協力して頂いたトラ ジャの友人、協力者にここで厚くお礼を申し上げる。また本稿執筆にあたり多くの先生方にご指導を仰いだ。 ここに感謝の念とともに心より敬意を表する。最後に編集長木下雅子氏の労を惜しまぬ指導と援助に感謝するとともに、本稿がそれ無しには完成しなかったこと を付け加えたい。

 

参 考文献(アルファベット順)

Bigalke, W. Terance, Tana Toraja: A Social History of an Indonesian People, Singapore, Singapore University Press, National University of Singapore, 2005,

Buijs, Kees, Power of Blessing from the Wilderness and from Heaven: Structure and transformationin the religion of the Toraja in the Mamasa area of south Sulawesi, Leiden, KITLV Press, 2006

Emery, Irene, The Primary Structures of Fabrics, Textile Museum, 1980.

堀 内紀子(Horiuchi, Noriko)、一本の線から ― from a line、京都; 染織と生活社、1986.

梶 谷宣子(Kajitani, Nobuko)、「アンデスの織物」、染織の美 20、1982.

日 下部啓子(kKusakabe, Keiko)、スラウェシ島の染織;サッダン・トラジャ人、ママサ・トラジャ人 の儀礼的染織 = Sadan Torajan and Mamasan Ritualistic Textiles、岩 永悦子監修、福 岡:福 岡市美術館、2006.

Nooy-Palm, Hetty, THE SA'DAN-TORAJA 2.Rituals of The East and West, Leiden: Koninklijk Instituut voor Taal-, Land- en Volkenkunde, 1986.

Speiser, Noemi, The Manual of Braiding, Basel; Private pub, 1983, 1988, 1991.

Speiser, Noemi, Old English Pattern Books for Loop Braiding, Arboldswil: self published, 2002.

鈴 木三八子(Suzuki, Miyako)、織物構造図典、日本織物文化研究会 編集、2005.

Tammu, J., Kamus Toraja, disusun olej J. Tammu, H. van der Veen; Rantepao: Jajasan Perguran Kristen Toraja, 1972.

Veen, H., van der, The Sadan Toradja Chant for the Deceased = サ ダン・トラジャ人の死者のための詠(歌, Verhandlingen van het Koninklijk voor Taal-, Land- en Volkenkunde: Deel 49 = (オランダ)王立東南アジア・カリブ海研究所論文集第49輯, 1966.

山 下晋司、儀礼の政治学、東京:弘文堂、1988.

<日 下部啓子氏稿終り>

 

 

<サッダン・トラジャのループ操作組紐 編者蛇足>

日 下部氏がインドネシアのスラウェシ島で採集した染織品の中の組紐がループ操作組紐であり、特に男性用の葬儀ポテが2 連角組であることから、スラウェシ島でループ操作2人組が行なわれているらしいことがわかったのは、2003年秋のことである。特に複数人組(多くは2人 組)はイギリス中世期の記録を初めとする数例の文書記録、ヨーロッパ及び日本の寺社等に保存される実物資料によって想定されているが、組み方の現行例はそ れまで見出されていなかった。以後数年にわたる日下部氏の努力と熱意で、2連角組を2人で連結して組成する組み方を伝承する人達がスラウェシ島に存在する ことが確実になり、その方法が採録された。更に2連角組の連結法がスラウェシの異なる地域では異なり、同時、逐次、連動、とも言うべき3様の方法があるこ とを日下部氏は分析・理解した。その技術面に関する報告は次号に予定されていたが、連結法についてのシュパイザー、ボウトルプの研究がこの夏出版されるこ とになったので、重複を避けてそれを待つことにし、今号の最後に短いまとめを付すに留めることになった。編 註5

こ の3 種の連結法は長い歴史の間にループ組紐を使う多くの人々が考えつき、使っていたに違いない。例え ば、シュパイザーはTHE MANUAL OF BRAIDING (1984) に17世紀パターンブックの記入と紐見本から考え出した合理的な方法として 「連動式」の連結手順を示している。これに対して「同時交換」連結手順は15世紀の記録「トルマッシュ家の秘伝・紐の作り方論」に見出された。他方、編者 はループ数5(または7)を使う2畝平組紐2本同時手順の2人組で一方の組み手がループを1本少なく持てば、整2(3)越綾織組織平組紐が2本同時に組め ることを早くから認知し使っていた。註18こ の場合の考え方としては、ループのやり取りで、5(7)本のループを持った組み手が操作するのが自然な成り行き で、逐次連結になる。しかしこれら3法は起源的には異なったとしても、連結の原理としては同等なので、資料を観測することでそのうちのどの方法が実際に用 いられたかを決定することは難しい。

そ の様な現状の中で、連結法の三種の可能性を示す現行例がスラウェシ島で採録されたことは非常にまれなことであり、それが日下部氏の努力で成功したことは大 変に喜ばしいことである。特にループ数9本の連結法の使用が、氏の観察によれば、平組紐から2連角組に及んだので はなくその逆であったらしいことは、技法の展開が必ずしも作業能率とか、組織の整合等を目的にするなどの合理性に基づいて創始されるとは限らないらしいこ とを示す例として興味深い。註19こ れは宗教的あるいは慣習的な禁忌等が技術に与える影響を示す一例かもしれない。

男 性用ポテの輪に成形される2連角組の組成に用いるループ数と、後続の角組の本数の関係では、資料数が極く少数しか ない現状では、過剰の予想は避けるべきであるが、今後の調査によって更に意味ある結果が生まれてくるのではないかと楽しみである。

<編 者蛇足終り>

 

 

 

L-M技法の再 興の動き 現地での見聞報告 日下部啓子

 

インドネシア・スラウェシ島で始まったL-M技法再興の動き

タナ・トラジャでは、今 儀礼に参加する時にループ組紐の付いたセプを持つのが流行っている。今回セプを自宅で注文製作している2名の女性 を訪問した赤な ど色のポリエステル毛糸を使用している。男性用ポテに関しても、昨年11月行なわれた北部の村のキリスト教の大きなお葬式で、ウールの鉢巻の大量の注文製 作があったと聞いた。勿論これは2連角組ではないだろうが。(それに参加しなかったのが悔やまれる)

北部 などではかえって「土着宗教の縛り」がないので、男性用ポテも使うことが復活したのだろうか。

ま だアルク・ト・ドロが若干残る南部では、キリスト教の儀礼でポテは厳しく使用が禁止されている。

 

地 上でループ組紐が今時トレンディな所って他にありますか?!

 

 

イラストL-M 指操作組紐技法解説シリーズ 第12回

jigzagbraid.jpg 12ループ変り斜行縄連組織筒状組紐

「ジグザグ3色組紐」の組み方

Joy Boutrup著

17世紀の印刷本Natura Exentrata/自然の解剖(編 註4) 中に見出され、SpeiserとBoutrupが編纂者にちなんでSerene集と命名した、ループ指操作法の教 本の第66番である。

 

技法の基本

 

ループ操作組紐を記録するためのしおり

た またま、民俗的に伝えられたループ操作組紐を知っている人にであったときに、記録を取るための要点のリストです。記録が取れたらセンターまでお知らせ下さ い。

ま たこれだけの記録が取れなくても構いません。 ループ操作組紐にであったことだけでも結構です。お知らせ下さい。

 

ループ操作組紐技法関係の活動

出版物

出 版予告 2009年度以降

EUROPEAN LOOP BRAIDING/ヨーロッパのループ組紐, Noémi Speiser, Joy Boutrup著

ヨーロッパに於けるループ組紐の調査及びその研究成果が、4部単行本としてJennie Parry によって編集・今年(2009)夏に出版発行の運びになっている。第1部と第2部はループ組紐の連結交換法及び文字入り組紐。第3部は Speiserのスエーデンのブリジット派尼僧院工房の宗教用製品中の組紐の研究。Inger EsthamとMari-Louise Franzén協力。第4部は幾つかの博物館の組紐に関する報告に関するもの。4部共に、両著者の丹念な研究成果を含み、正確な図表と明瞭なカラー写真を 伴う。価格、注文法などの詳細の通知を希望する人は: Jennie Parry, 21 St Philip’s Road, Leicester LE5 5TR. UKまで 返信用切手と宛名つきの封筒同封で 郵送;

または、メール(Jennie Parry jennieparry2003@yahoo.co.uk)。

2009年度研究会、講習会など:2009年1月より 2010年春まで

「ク テ打組紐技法研究会」(「クテ打による古代中世組紐復元研究会」改名)

例 会期日:原則として隔月の第4日曜日を予定するが、会員の止むを得ない事情によっては変更される場合がある。

場 所: 元興寺文化財研究所

4期課題:正倉院の平織組織(一間組)及び整2越綾織組織(2間組)について。なお研究会では新規会員を募集している。

ルー プ組紐技法関係2008年度の活動:2008年1月より 2009年3月まで

・ 新発見:Braid Societyの小グループによるオクスフォード大学のPitt Rivers Museum 所蔵「Nun's Book/尼僧の本」を発見。こ れまで課題であったアルファベットを組み込む方法が解読されたと聞く。(本号シュパイザー稿参照)

・ 出版物:木下雅子、「正倉院所蔵の組紐の組成技法について・附クテ打組紐技法による古代角組みの組成実技再現の試み」 正 倉院紀要31号2009.

J. Boutrup, 'Braided Seal Strings from 1590,' Strands 2008, Issue 15, The Braid Society. L-M BRIC ニュ −ス第 9号掲載の同著者の同題の報告に紐の構造解析と新観測を加えたもの。N. Speiser, ‘Initial Observations on the “Nun’s Book=「尼僧の本" についての初見」', Strands 2008, Issue 15, The Braid Society. Noémi Speiser, "Loop-manipulation braiding, Basic instructions”, 第3刊(初版 May, 2002)価格 4ポンド、注文は上記 J. Parry まで。

第 一回国際組紐会議公式資料集 Space, Time and Braid 販 売中。購入の詳細はニュー ス第11号参 照。

・ 国際会議 小村真理、Braids Excavated from the Chu Cemetery at Baoshan, China, The Fourth Worldwide Conference of SEAA, 2-5, June 2008, Beijing, P. R. China.

・ 講習会、研究会等:

「ク テ打組紐技法研究会」(「ク テ打による日本古代中世組紐復元研究会」改) は、2008年度(第3期)には第1−5回研究会で正倉院の角組を一応終了し、整組織平組紐の組成法にとり掛か り、来年度に続く。会場:国際奈良学セミナーハウス 一部は元興寺文化財研究所 期日:2/24, 4/27, 6/22, 8/24, 10/26, 11/30(会員制)。市販の無撚練り糸、植物染料染め座繰り無撚練り糸などを用いて、『正倉院の組紐』中の図版にある角組をモデルにして、資料に見られ る撚り及びその乱れの様相などの原因を探りながら試作を重ねた。第6回例会から次期研究課題「正倉院の整組織平組紐(一間組・二間組)の組成法」に開始、 その第1回として、親指を使う組み方、親指を使う2人組み及び3人組みの組み方の基礎を実習した。

・ 展覧会等:川辺千佳代、依田章子、「ルー プ組紐サンプルと写真資料」2008/3/19〜23、2009/3/24 堺市都市緑化センター; 春日弘子「アート3人展」クテ打作品を額装にして出展 11/26-30/2008 サンピア明石アートホール.

講 習会・実演・体験会など川辺千佳代 上 記の展覧会にともなう行事として、体験実習。 河 田泰之 1. 学校教育での普及 施 設見学時の体験学習として実施・市内小学校3校・4回(5/15・10/17・10/23・10/28; 泉南市埋蔵文化財センター;合計375名;限られた時間ですが「入口」としては効果抜群) 2.地域住民への普及 ちょこっと体験コーナー 8/1〜8/29(泉南市埋蔵文化財センター;80名ほど;「いつでもだれでも」体験できる機会として新設) まいぶ んクラブ 9/27(泉南市埋蔵文化財センター;23名;ボランティアさんの協力を得て開催)地区ふれあいまつりで組みひも体験を出店 11/3(参加者多数;昨年に続き大人気)。木 下雅子: ループ指操作技法の基礎 3日講習会、10/2, 9, 16,9/27, 10/4; 指数に余るループ数を使う指操作技法1日講習会 10/15 和光市、10/25 奈良市; 正倉院の1間組、2間組の組み方2日講習会 11/7-8 和光市。 久米田礼子 2008 年4月から月2回(火曜日)午後「小指組紐」の会を居住する油川の市民センターで開催、毎回10名ほどの参加者。5/3 岩手県一戸町、10月の文化祭のために女子職員に指導。8/4、9/3-5、9/21、10/13、10月の3日間、其の他 主として油川市民センター、五所川原市、岩手県一戸町等の文化展、文化祭で実演、実習、講習会。参加者多数で応対が大変でした。4/15/09 久米田さんの小指組紐を青森テレビで15分放映、それを見た人達からの問い合せも多数とのこと。 角浦節子 08/16居 住している団地の地蔵盆で、子供たちの遊びとして、5ルー プの角組でミサンガ作り。参加人数:子供30名、 大人20名5ループ・角組のミサンガは久米田さんが伝承されているもので、そのことを事前に役員に実技と共に紹介して、団地全戸(約 300軒)に回覧した。

−m技法関係の御活動をお知らせください。

†今年度も、多数の人達から情報を頂いた。ボランティアの人たちの熱意によって講習会、実演、体験などのプログラムなどを通 して技法が徐々に広まっている事は頼もしい限りである。報告者、ボランティアの方々に厚く感謝する。

†謝辞:寄 稿 – J. Boutrup、日下部啓子、Noémi Speiser諸氏; Speiser氏稿の転 載許可-The Braid society; 協 力献金 関口照代様; ほかメール、手紙等を頂いた読者の皆様に感謝する。

L-M BRIC News は ループ操作組紐技法の知識と理解を広めるために、1998年の創刊以来インターネット版の外に、印刷版を10年間 無料で配付してきた。年々集まってくる情報の量が増えて、印刷版の限られた頁数に収める事が困難になったので、2007年以後は日英両語版共印刷版を取り 止め、インターネット出版のみに切り替えた。同時にトピックのページ制限を取り外した。なお印刷版の希望者は編集者まで希望をお知らせいただけば、イン ターネット版から印刷して郵送(無料)します。

†御理解者のカンパ送付先:\ 郵貯銀行振替口座 店名:〇三九店 預金種目:当座 口座番号:002586 名義人キノシタマサコ、$献金は Masako Kinoshita, 5 Winthrop Place, Ithaca, NY, 14850, USA まで.