L-M BRIC NEWS No. 8 日本語版                         02/20/2006 ©  
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L-M BRIC NEWS
   

イラスト L-M 組紐指操作技法入門シリーズ 第8回

 
7ループ4畝綾・平混 合組織2本同時と
12ループ6畝綾・平混合組 織2本同時の組み方

17世紀の印刷本 NATURA EXENTERATA 中のL-M技法の改訂者セレーン夫人お気に入りの2重組紐、旗竿柄組紐の基礎になる紐は、7ループ4畝綾織組織2本同時の1人組と5ループと7ループの2 人組、即ち10要素、14 要素の2枚上下に重なって組める平組紐である。 5ループ1人組紐は2重筒状にするには幅が細過ぎるのであろう、使われていない。夫人は更にそれにトルマッシュ本にはない12ループ6畝綾織組織2本同時 2人組を加えている。5ループ綾織組織平組紐2本同時は入門シリーズ第3回に解説した。ここでは7ループ4畝と12ループ6畝綾織組織2本同時組手順の解 説をする。
2重筒状組紐、旗竿柄の組み方はイラストL-M組紐技法入門シリーズ:ループ指操作法基本編 II を参照。
ヴァイスレイ紐他
Photo 1. 上 7ループ4畝2/1/1/2組織2本同時 2色ループ6本、1色ループ(紺)1本
下 ヴァイスレイ=12ループ6畝2/1/2/3/1/2組織2本同時  2色ループ緑・白 6、緑・紫 2、緑・黄 1  (木下雅子 作製・撮影)→


左右の手の指をそれぞれ人指し指から小指にかけて、L1、L2、L3、L4、R1、R2、R3、R4とし、指に掛かるループには大文字を小文字に替え同番 号の表記を与える。1本の指 に2本ループが掛かる場合は、指の根本に近い方からr2-1、L2-2という風に表記する。

7ループ4畝綾・平混合組織2本同時組手順 (Fig.1):
平2本同時
ループ数7
ループ初期配置:L1、L2にそれぞれ2本、L3, R2、R3に各1本づつル−プを掛ける。L1とL2に掛けた2本のループは、指の根本に近い方からl1-1, l1-2, 及びl2-1, l2-2とする。

  操作1:R1をr2, r3に通し、l2-2の上糸を掬ってとる。(「開」移動 l2-2がr1になる。)

  操作2:R2でL1-2の上糸を掬ってとる。(「開」移動 l1-2がr2-2になる。)

操作3:R1をR2-2の上糸を掬って中に通し、l3の上糸を掬い取る。(「開」移動 l3がr1-2になる。)

ループが左右入れ替わり鏡像初期配置になる。以下は操作1, 2, 3の左右を入れ替えた操作。
  操作4:L1をl2, l3に通し、r2-2の上糸を掬ってとる。(「開」移動 r2-2がl1になる。)
  操作5:L2でr1-2の上糸を掬ってとる。)「開」移動 r1-2がl2-2になる。)
  操作6:L1をl2-2の上糸を掬って中に通し、r3の上糸を掬い取る。(「開」移動 r3がl1-2になる。)

初期配置に戻る。Steps 1-6を繰り返す。

7ループ4畝綾・平混合組織2本同時組手順のバリエーション
・Steps 1と4で「閉」移動すれば、中空(筒状)の紐になる
・Step 1、またはStep 4のみで「閉」移動すれが広幅紐になる

ヴァイスレイ紐(12ループ6畝綾織組織2本同時)手 順(Fig. 2):
(解読者 J. ボウトルプ、S.シュパイザー)
セレーン本に2人組2重筒状組紐の手順が記載されている。2人の組み手がそれぞれ6ループ3畝2/1/2綾織組織2本同時組紐を組み、これの中耳同志、外 耳同志で繋いで2重筒紐を組成する。
ここでは筒状にする前までの手順即ち平組紐2本同時2人組手順のうち、左側の組み手の組み方のみを解説する。右側の組み手はその左右を入れ替えた組み方を する。左右組み手が共にステップ1-4が終わったら、隣り合う中指のループを交換する。交換法については

イラスト L-M 組紐技法入門シリーズ  ループ指操作法基本編 II を参照のこと。

6ループ3畝2/1/2綾織組織平組紐2本同時 左側の組み手の組み方
ヴァイスレイ紐
ループ数:6  色例:下糸は全て緑、上糸:白3、紫2、黄1  初期配置: 上糸 紫黄紫 白白白
左右の手の指L2、L3、L4、R2、R3、R4に1本づつループを掛ける。

  操作1 L4でr4の上糸を掬って取る。(R4がL4-2に、l4はl4-1になる。)

  操作2 R1をr2, r3に通しl4-2を越してl4-1の上糸を掬い取る。(l4-1はl4-2の外を回り、 r3r2の中を通ってR1に移動。)
R3R2R1を順にR4R3R2に指し替える。

  操作3 R1をl4に通して、l2l3の2本を並び順が変わらぬよう気をつけながら取る。

  操作4 l4をl2に指し替えたら、R1が持っているl2をL3に、 l3をL4に掛ける。
左側組み手のループR2と右側組み手のループL2を交換して中耳を連結する。
Steps 1-4を繰り返す。





・2重筒組紐にするには左側組み手のl2と右側組み手のr2を交換して外耳を連結する。
・旗竿柄にするには、2重組紐を組み、白紫黄糸の面が外側になる時は手順を9回繰り返えす毎に、緑糸面が外側になる時は6回繰り返す毎に、ループを捻って 上下糸の色を入れ替え、組み続ける。

この手順では個々の組み手の組み方が左右非対称である。L-M技法の古記録でも現行採録でも、これまでに知る限りでは平組紐を組成する手順は全て左右の手 を対称に使い左右対称組織を組むもの(複数畝)に限られていた。その意味で、この手順は新機軸である。
個々の組み手の組み方は片寄っているが、2人の組み手が鏡像操作を行って3畝平組紐をそれぞれに組み、それを連結することにより6畝の左右対称組織組紐な る。
原典の前半(或いは後半)が左右を入れ間違えて書いてあった上に、思い掛けないループの動きがあり、さらに紐名からの類推もかなわなかったために難解で あったが、J. ボウトルプとS.シュパイザーが解読に成功した。ここに解説する手順は間違いが解説の前半にあるとして解釈したものである。又鏡像操作をする2人の組み手 の座席は左右いずれの側でもかまわない

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